風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

失われた時を求めて1

会社の同じフロアに15年位前にちょっとファンだった女性がいるのだが、何しろ15年の歳月で彼女の容貌もだいぶ変わってしまって、見ていて、当時のように姿を見るだけで少し気持ちが高揚していたことを思い出すと、なんだか自分でいたたまれない感覚になる。当時はすでに結婚していたし、年齢差もあったので、この子は素敵な子だなあと眺めているだけだったのだ。ただ見た目は好ましいけれど、性格はちょっと陰険なところがあるなあと仕事をしていて思ったことが1度あり、少なくも彼女は心を俺には開いていないのだなあ、と思ったのだが。

当時は少し太っていて肌がつやつやで健康を全身からみなぎらせていて、当時は彼女も25歳くらいだったからか、もっともきれいだった時期なのかもしれない。今は何か病気をしたのかと思うくらいに痩せてしまっていて、まるで別人のようである。

以前はエレベータの中で会ったときにも軽く会釈はしていたと思う。会話はしていなかったと思う。彼女とは共通の話題が全くなかったし、彼女のピンと緊張した空気を自分はなごませられるほどに大人ではなかったし。

彼女はまだ結婚せずに職場で働いている。優秀な人だったから会社からは厚遇されていると思うが。

見かけるたびに、自分はしょせんは見た目で人に好感を持ったりそれをなくしたりする程度の人間だなあと思う。そうでなくもっと人間の深い部分に対して好悪の感情を抱けたなら、と願うのだけれども、やっぱりそういうことができないんだなあと思う。

 

若いころには結局見た目だけで女の子を好きになったり嫌いになったり、おかげできれいな女の子たちに随分と振られたものだ。

見た目で抱いてしまう好悪の感情を自分ではどうにもできないものなんだな、と改めて思う。