風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

傘がない

めし友のKと約束の時間に待ち合わせて、外に出て見たら雨だった。が、俺には良くあるのだが、傘を持ってきていなかった。少しくらいなら濡れても気にしないのと、なんやかんやと今は仕事が異様に忙しいのと、病み上がりで頭が働かないのとで、そこまで気が回ってなかったのだ。さすがに傘なしでは厳しいかなという雨足ではあった。しかし傘を取りに戻ってさらに待たせるのも気がひけるので、濡れていくかと覚悟を決めた時だった。

Kは40代の独身男性なわけだが、めし友の歴史はそろそろ3年くらいになる。彼が言った。

そうだろうと思って、ビニール傘を1つ余計に持ってきました、と。

と、傘を差し向けてきた。

こんな風に気を配ってもらったことはないし、多分今後もない。

彼が女だったら俺も恋心が止まらなかったかもしれない。だが、40代のおっさんだ。