運命の2人は俺の知らないうちに女の子の双子までもうけて、そうして、様々な遍歴を重ねていた。ワインのように。8年ぶりにみる彼らはしっかり歳をとっていて、なぜか一緒にギリシャをドライブしている。なんでこんなことに?という謎の答えを追いかけていく映画でもあるし、そして、その答えの中に混じっている苦味を一緒に味わう作品でもある。
Before Sunrise から連なるこのシリーズ、脚本家もずっと同じ。
ずっとテーマは一貫して、どうにもならないこと、について描いている。
どうにもならないけれど、どうにかしたいと思う2人を描いているのだ。誰の人生もみんなそういう面があるはずで、だからこそこの映画は色々な人にとって特別であるとともに、普遍的なものなのだ。
会話の内容は映画の展開にあまり関係ない、と言える。だが、会話しているということに意味がある、という非常に稀有な映画だ。
勧める人を選ぶ作品だが、いいものに出会えた気がする。