サマセットモームの古い小説。他の何かの本で紹介していたのと、俺が小学生の頃、家の本棚にあったのを覚えていて、ずっとどんな話か気になっていたので、ようやく手にすることができたというわけだ。
人が何をするのかわからない、人はそんなに統合されたつじつまの合うものではない、という、テーマを話を破綻させることなく、納得させるかたちで展開してくれる。穏やかな生活を捨てて画家になることにした男と、その周りの人々の反応を書いた物語。
子供の頃に読んだら、何だこのめちゃくちゃな展開、と思ったかもしれない。が、今読むと、そうそう人生の事件はそんな風に起きるんだよな、と、逆にリアルに感じられる。