風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

北北西に雲と往け

 

入江亜季

17才の特殊な能力を持った若者が探偵業をアイスランドで営む、という話。アイスランドのことがいろいろわかるだけでなく、彼の弟を追ってやってきた刑事などの話も織り交ぜつつ、とにかく絵が気持ちがいい。主人公は電子機器と会話ができるという、不思議な力があり、自分の車と会話したり(主人公にしか声が聞こえない)する。携帯電話の機械そのものと会話したりもできる。主人公はクオーターで、アイスランドにおじいさんが住んでいて、彼と一緒に今のところ暮らしている。そして猛烈な肉好き、という設定。

弟は謎の力で人に自分の腕が切れたような幻覚を見せる。彼の叔父と叔母もその力で殺されたのかもしれないし、そうでもないかもしれないが、いずれにしろ不穏な存在。まだまだ謎の多い家族なのだけれど、そんなドロドロした話を、アイスランドの広大な自然が中和してくれる。