風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

父ちゃんの事務所へ

父ちゃんはもう80歳くらいなのに、自分の不動産事務所を一人で守って働いている。仕事を辞めてもやることがないから、というのがその理由で、まだ頭もありがたいことにしっかりしている。

六本木のお客さんのところに寄って、打ち合わせが終わったので、乃木坂の父のところに立ち寄って1時間半くらい、水入らずで思うことについてあれこれと雑談した。親子だから似ているのもあるし、考え方が似ているので会話していて面白いし、気楽だ。

もともと細い目がますます細くなってるし、ほうれい線も出てるし、頬の肉も少し垂れてきて、ああ、父ちゃんも老人らしくなってきている、と思うと、そこはかとなく悲しい。でも、その気持ちをいじくっても仕方がない。こうして会話を楽しめることをむしろありがたく思いながら、短い会話のできたひと時を楽しんでみた。父は父の世界で、いろいろな人脈があり、色々な人に頼られているわけだ。それをまた、ありがたく思う。

誰も歳をとらずに、誰も死ななければいいのに、と思う。そんなことはあり得ない、と、分かっているので、その輝く無念をしっかりと抱きしめて暮らしていこうと思う。

みんなやがては死んでいくのだから、せめて、無理のない範囲でいいから人には優しくありたいと思ったりする。