風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

教授の訃報

大学の教授の訃報がメールで送られてきた。気がついたら亡くなっていた、ということにならなかったのはありがたかった。この教授はいつもニコニコしていたのと、物を読むときに老眼のせいで眼鏡をはずさないとならないのだが、そのはずし方がなんともいえずに大人な感じで、まだ大学生の若造にはかっこよく見えたのだった。

授業には関係無いのだが、男は女の人を一人幸せにできれば十分だし、それはなかなか大変なことなのだ、と授業中に仰っていたのを覚えている。彼の死は俺の大学生活の思い出を暗く染めるもので、そこにいた人の退場は、その取り返しのつかなさをより強く縁取らせる。

ずっと長いこと音信もなかった間柄なので、訃報を残念がるのもなんだかおこがましいのだが。

今日が送別式らしいが、仕事もあるし、なんだか自分には参加する資格がないような気がするので参列はしない。ただ、あの日々を飾ってくれた教授に感謝してみよう、せめて今日くらい。今くらい。