妹は家庭の問題で鬱病になったことがある。
薬を飲むとその効果で周りが明るく楽しいものに思えてくる、しかし、薬がきれると悲しさに潰されそうになると言っていた。どっちが本当の自分なのだかわからない、と。
軽い適応障害の俺にも似たような感覚がある。寝覚や午前中は、水の中を歩いているように身体が重たく感じられるのだ。パソコンを開くのもメールを読むのも、小さな抵抗があってそこを押し退けながら、無理に前に進もうとするかのようだ。
先ほども昼寝をする前は眠気と頭の重さで、崩れ落ちてしまいそうな危うい神経の状態だったが、昼寝から目覚めると軽々と歩けるし、物事を前向きに考えることもできる。
寝る前は、唐揚げのような揚げ物は食べれないと思ったし、ゲームの実況動画も神経に刺さるようでとても見られなかった。寝たら全て解消だ。1時間くらい寝ただけなのに。まるで別人になったかのようである。一体どちらが本当の自分なのか、と、自分も言いたくなる。適応障害の英語名にdisorder、秩序の乱れ、とあるのは、納得である。
脳の状態が世界を作っているということを、こういう不調に陥ると肌身で感じる。
アロマとか、色とか、部屋の温度、食べたもの、持ち金の量、などで世界の見え方が変わることはみんな経験していると思う。
睡眠が足りていない、というのは、脳にどんな影響を与えるのだろう。眠いと、世界に立ち向かえる感じがしなくなるのは、何故なのだろう。