風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

断捨離

ツマは通信教育の添削員として少しずつキャリアを積んでいたのだが、少子化のせいもありそれほど大繁盛はしていなかったようす。そしてコロナがトドメとなってツマは失業してしまった。コロナめ。新しい仕事を探す気にならないのか、今は居間で読書とスマホゲームで静かに静かに過ごしている。そして家の片付けを少しずつやっている。

俺の部屋の本の1/3はブックオフに引き取ってもらい、嫁の実家から持ち帰ったらチェストと、嫁の使っていた机の片割れの袖机も、今週末には粗大ゴミとして消え去る運命にある。

まるで終活。死ぬのか俺。

或いは引き払うための準備をしているかのように、刻々と物が家から無くなっていく。

モノが自分の視界から減っていくのは、実際のことろ気持ちが良い。物を見るとその刺激で少し何か脳は反応しているのだろう。自分で気づかない程度に。それが減っていくので、寺の伽藍に招かれたようなスッキリした気持ちになる。なるほど断捨離中毒になる人がいるのもわかる、と、心軽やかである。特に、これは使わないんだよな、いらないんだよな、でも、買ってしまったことを否定すると認知の不協和がつらいので、あの選択は間違ってなかったことにしたい、という、現実から目を背けるために居座らせている物たちを捨てると、その物理的な大小に関係なく頭に快感物質が流れるような気が。