風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

週末に勉強?

うちの会社の別の部署に新しく入ってきた男性は、声も太くて仕事も隙がなくてしっかりしている上に、なんといっても飲み込みが早い。すごい人というのはいるものだな、と。

新しい会社に入ったらやはりやる気のあるところと自分の有能さを少しアピールすることが、生存戦略になってくるのだろうか。やる気がみなぎっていて気後れしてしまう自分だ。

20代の後半で今の会社に転職して、あとは流されるままに目先の仕事を、ただパックマンのように飲み込みながら漫然と迷路の中を走ってきた自分には、転職直後の気の張った頑張りは、なんだかうまく想像できない。

その人をここではN氏と呼ぶ。

 

K氏があたらしくやってきたN氏に次々と電子ドキュメントを渡しているときに、N氏が、こう言った。ありがとうございます、週末の勉強にいいネタをもらいました、と。言っていたのを聞いて、そしてそれに誰も何も言わないのを聞いて、ん?なんだこりゃと思ったのだった。

週末に勉強なんてしないてもっと楽しいことをしたら?と思ったのは俺だけなのか。

家の掃除もあるし、散歩したり、見たかった映画をゴロゴロしながら眺めたり、週末はそういうものではないのかなー。

資料をもらったときに自分もさすがに、後で読んでおきますねー、とは言わず、いい教材をもらいました、くらいのことは言う。

いやらしさを感じたのは、それとなく自分は週末も仕事しているんだよ、というアピールを感じたからだと思う。そしてこの打ち合わせにいたK氏も、もう一人の人も、それをさも普通のことのように、なんならむしろ自分も週末は勉強しているよ、と張りあうかのような雰囲気だった。

 

女の会話は共感ベース、男の会話は競争ベース、と誰かが言っていた。俺は男として、んー、別に競争ペースなんて、そんなことないんじゃないか、と思っていたのだが、いやいやいました、まさにそういう会話で盛り上がっている人たちが。

自分はもっといいものを知っているよ、と、言いたくなるものなのかね。俺にも、本とか映画の話になると、そういうトーンに多少はなるのだが、自分がたくさん知っていることをアピールしたいとは思わないなあ。

 

うちの会社にはそういうエネルギッシュな人たちがあちこちにいて、彼らの頑張りで会社は力強く前に進んでいるわけだが、そういう人たちの張り合うような会話の応酬は見ていると胸焼けを起こしそうな気持ちの悪さを感じる。