仕事がつらいせいか、ひどい目にあった人の本を好んで手に取っている気がする。この人たちよりはマシだよな、と思うことが慰めになるのか、それともこの人たちもこうして生き残ったのだから自分も頑張ろう、と励みにしているのか、単にどのようにしてサバイバルしたのかについて読むのが面白いからなのか、その辺はよくわからないが。多分、どれもあたりだ。
7年間、終戦したことを知らずにニューギニアの奥地で畑を作り、なんとか生き残った人たちの話だ。終戦間近で飢えに苦しみにながら、そうして米兵の攻撃に苦しみながら、マラリアにやられながら、どうにかこうにか生きてきた人の手記だ。思えば、歳をとってから、なんとなくノンフィクションが好きになってきている気がする。よくできた作り物の話に、どうもうまく乗れないのだ。子供の頃の方がうまくファンタジーを楽しめた。今は何かゲームを初めてもいまいち話に乗れない。「お願い、私たちの王国を守って!」と美少女に言われても、うーん、君らの世界のことはよくわからないなー、と思ってしまう。そのせいで色々なゲームを少し始めてみてはやめてしまう、を繰り返している。
1/6くらいしかまだ読んでいないので、この後、まだまだ色々あると思う。トイレで座っているときに毎日5ページくらいずつ読み進めているので、7年間の彼らの苦闘を読み終えるには半年くらいかかりそうなのだが、話自身も割と淡々と語られているのでトイレで読むのにはちょうどいいのかもしれない。
この人たちよりはどうみても今の自分の方が快適である。ご飯も冷蔵庫にあるし、こたつに入ってパソコンを叩いているので。しかし面白いか、と言われると、パソコンに向かって情報をみたり、情報を入れたりすることに明け暮れる日々は、味気ないと言えばそうなる。
もちろんだからと言って、彼らと交代したいかと持ちかけられたら断るのだが。俺はきっとすぐに死んでしまうことだろう。