風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

息子に将棋で8連敗

 やはり暇さえあれば将棋の研究、打ち手の研究をしている息子と、週末にちょろっと遊んでいる父親とではもうその成長の差は圧倒的だ。本日8連敗を喫して、もうこれは勝てないな、と観念した。あの手この手で挑んでみたが、どうにも歯が立たない。こういうときにはこうする、というパターンの量があまりにも違うのだ。だから、こちらが刀で戦おうとしているのに、銃で撃たれているような感じ。こちらにとっては、未知の世界も、やつにとってはそれは1度歩いた道なのだ。

 もう将棋では戦わない、という宣言をした。勝負にならないからだ。これから先、息子はさらに強くなるだろうけれど、俺はまた週末に少し趣味でやるくらいしか時間が無いし、成長の伸びしろも若者には全くかなわない。

 息子は残念だと言っていた。俺も週末に負け続けて不愉快な気持ちになるのはあまりいい過ごし方とはいえない。

 どうやっても勝てなかった父親を超えて、気づけば父親が自分よりも弱くなっているというのは、思春期の寂しさだと思う。老いていく父親を感じて寂しく思うのだが、それを超えていくのもまた思春期なのだ。

 思えば将棋を教えてあげたのは俺で、やつが小学校の中学年くらいから一緒に遊ぼう、という感じで始めたのだった。はじめは俺が王様1枚と歩が3枚ではじめたのだった。2枚落としまで彼が成長してから、彼はなかなか俺に勝てずに、もう将棋はやらないと彼が言っていた時期もあったのだが、もう俺の歯が立たないくらいに強くなってしまった。連続負けしたのはなんだかむしゃくしゃするけれども、息子が自分よりも高みに行くのはうれしい。ずっと俺よりも弱いままでいられるよりも、こうして父親を息子が超えていくのはなんだかいいものだ。ダースベーダーだってルークに負けた。

 俺もまた何かの新しい趣味を作っていこうと思う。羽ばたけ!息子よ!