風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

さよならファンタジー

携帯のゲームをはじめても、ものの10分くらいで気持ちが物語にのれなくて、消してしまうことが増えた。あなたの世界がどうなっても別にいいよ、という感覚で、もう俺にはゲームデザインの仕事はできないだろうな、と思う。ファンタジーの世界に入るのが、それから虚構の世界に入るのが、20代の頃よりも断然難しくなっている。ツマもそうらしい。歳をとると、自分の生活だけで十分に過酷でドラマチックだから、物語世界の大変さにうまく入れなくなってしまうのだろうか。

王様ランキングというアニメは、現実の世界と何か重ねられるものを感じてしまうのだろう、だからあんなに面白く感じるのかもしれない。例外的に楽しくみている。人は自分の立場に縛られる、ということが、あのアニメにはあるので、見ていて熱中してしまうのかもしれない。

 

ドキュメンタリーや、ルポ、のようにノンフィクションが好きになってきた。

本屋で面白そうな本を1時間くらい探して、次々と本棚から抜いて、戻して、を繰り返したが、結局どの小説にも、これはお話なんだよな、とつい思ってしまう自分に邪魔されて、話が頭に入ってこなかった。

グインサーガや、銀河英雄伝説を熱中して読んでいた10代の感覚はもう枯れ果ててしまったのかもしれない。なんとも寂しいことだと思う。好きになるものがある、ということは人生の活力なのに、物語世界の中にそれを見出すのは難しくなってきている。

 

買ったのはNHK出版の出している、2冊のドキュメンタリーだ。それから最近、村上春樹の初期の小説が面白いなと思う。