風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

ソフトウェアの勉強

 ソフトウェアの勉強を始めたのは中学2年生くらいの頃で、BASICと呼ばれる言語をBASICマガジンという雑誌を読みながら、コンピュータにぽちぽちと命令を打ち込んでゲームとして走らせるという、今にして思うと最高の勉強の仕方でソフトウェアについて学び始めた。なぜ最強かというと、自分で興味がわいたらプログラムを少しいじってそして、その変化を確認しながら、ここをいじるとこうなるのかというフィードバックをすぐに得られるからだ。そうしてこうしたらもっと面白くなるのではないか、といじってみて、そうなったり、あるいは思いがけない結果になってソフト全体が壊れたりして、なんでなんだろうと調べるのが結構な楽しみだった。結局、自分でゲームを作るようになって、BASICマガジンに自分のゲームを投稿して2回採用された。自分のゲームが雑誌に載る、というのは興奮する出来事だった。

 MZ-80BというSHARP製のパソコンで、それを自宅に持ってきてくれた父親には本当に感謝している。当時はソフトウェアはカセットテープに記録していたんだよな。ハードディスクというものがまだ発明されていなかったので。


www.youtube.com

 仕事も育児も落ち着いてきたので何か趣味を広げようかと本屋のコンピュータ言語コーナーに行ってみた。JavaScriptの本は面白そうだったが、本棚に結局戻した。何しろ「〜をつくりたい」というのがないのが、コンピュータ言語を勉強するモチベーションを抱く上で難しいなと思う。俺がコンピュータを勉強し始めた当時はコンピュータゲームなんて売ってなかったし、まだファミコンも出たばかりだった。ゲームは自分で作らないとならなかったのだ。作りたいもの、がすぐそこにあった。

 だが、今はゲーム機もいいのが出ているし、ゲームソフトもすごいのがたくさん出ている。ああいうゲームを自分の部屋でコツコツと作ってみるというのはとても無理だ。大勢のスタッフが分担して長い時間をかけてゲームを作っている。あれには到底太刀打ちできないし、あれよりも面白いものを作ろうという動機もなかなか湧かない。今の若い人は何をモチベーションにしてコンピュータ言語の勉強をしているのだろうか。

 どう作るか、という時代から、どう使うか、という時代になってきているんだよな。Cloud サービスが発達して業務用のソフトも自分で1から作る時代は終わりつつある。ちょっとした便利ソフトはスマートフォーンで手に入れて使いこなせる時代になった。