風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

叱らない、ほめない、命じない。

 

「嫌われる勇気」で大ヒットを出した、アドラー心理学の伝道師、岸見一郎先生のビジネス向けの一冊。アドラー心理学を駆使するとリーダーのあり方はこう変わる、会社の文化はこう変わる、ということを前半は岸見先生の考えを語るかたちで、後半は新興企業のリーダーたちとの対談のかたちで語られている。

叱らない、ほめない、という言葉が意味するところは、人と人とは対等なものであるから、誰かが何かを人にやらせるという組織は本来の力が発揮できない、というもの。これは親子関係にもいえることで、親がこどもを自分のもののように感じて何かを命令してやらせるような「恐怖」による支配は、結局相手の自主性をそこない、怒られなければいいや、という考え方の発生源になってしまう。

自主性って組織をうまくまわしていくうえでとても大切だと思うし、そういう自主性を高く評価する会社の風土というのも大切だと思う。自主性を発揮しにくい会社は結局、リーダーが見える範囲がやれることのすべてになってしまう。そういう会社は衰退していくよな、と思うのだった。