風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

石子と羽男


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花束みたいな恋をしたり、コントがはじまったり、フォルテナの瞳で見つめたり、有村架純は普通の女の子を演じさせると、その普通感に見ていてクラクラする。髪の毛ボサボサで、なんですかー、と、のっそり出てこられる、その日常感にこっちが吸い寄せられてドラマを見ているという感覚がなくなっていく。独特の溶け込み力みたいなものがあって、すごく綺麗なんだけどずっと異物感がある波瑠や、非現実感をずっと発散する本田翼などと一線を画すところだ。

話は弁護士もので、こんなことで訴えるのか?という切り口から、その裏に隠れていた本当の生々しい話が引き出されてくる。

脚本もよくできているが、絵コンテを作った人が天才的だ。カメラアングルがすごいので、そこに注目だ。主人公の顔を画面の隅において大きく空を映すカットなどは、これは少女漫画だと思った。そういう、ここからこう撮影したか、というちょっとトリッキーな画面作りと、話運びのテンポの良さが普通のドラマと違う。

 

本筋と関係ないけど、さだまさしは、人情派で腰痛を患って休業中の弁護士を演じている。この人の普通の人感もすごい。

なので、中村倫也の天才風弁護士のエキセントリックな行動も、彼の特殊な能力も、周りにある普通感が埋めてしまってうまく中和されている。