風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

武器になる哲学

 

何の役にも立たない学問、哲学はよくそう揶揄される。が、実は哲学的なものの見方というのは人生の指針や生活のトラブルの中で役にたつ、ということを教えてくれる本。なので「役に立つこと」が主眼なので、俺としてはなるほどこういう風に使おうかと思いながら読めて楽しい。人はどうしてそういうことをするのか、いうのか、そうしてそれに対して自分はどう向き合っていけばいいのか、についてのヒントが次から次へと出てくる。

この人の発想もよいが文章にも隙がない。読みやすいし、言葉選びも厳選して的確なものを選んでいるのが伝わってくる。さすがの哲学者だ。この人は頭がいいなあ、と思わせてくれる人の書いたものを読むことこそが読書の幸せだと思うのだが、この本はそういうことを味合わせてくれる。

雑事や仕事で目先や表面的な利益や刺激とらわれそうになっていた日々の中で、眠っていた観念的な思考の世界をかきまぜてくれる名著だ。

BOOK OFFにいくと、こういう本を安く買えるのがうれしい。