風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

Humankind 希望の歴史

 

人は生き物として生来闘争するものであり、それを示す数々の実例があるというたくさんの物語や研究成果に対して1つ1つ反証していき、人間は本来生まれつき協力し合うようにできているのだ、ということを教えてくれる。「蝿の王」という有名な小説があるが、あれの最後はなかなか悲惨である。少年たち数人がある無人島に流されてしまったときに、その少年たちはどのように過ごして最後にはどうなったのか、という話なのだが。。実際に似たような事件が過去にあったとこの本は教えてくれる。そしてそのときにはこのような悲惨なことにはならなかったと。

人は生来助け合うものだし、すぐに争ったりするようなものではないのだ、ということを教えてくれる。争いの果てに滅びるのが人なのだ、という心理学の研究や歴史家の話はどれも「そういう結論」をつくるために操作している可能性がある。

戦争が始まったり、ウィルスがはやったり、物価が上がったり、元総理大臣が射殺されたり、明るいことがなかなかない1年だった。だから、他人は信用できない、という気分にさせられる年だったのだが、そうでもないのかもと思わせてくれるのが救いだ。