風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

その本は

 

ヨシタケシンスケ又吉直樹が、本を主人公にした不思議な物語や設定を競作する形で交互に書いていく話。紙に古びた紙のような汚れが印刷されていて、なかなか凝っている。これを企画した人は頑張ったと思うが、何しろ又吉直樹の挿入する物語がいまいち面白くないし、わかりにくい。ヨシタケシンスケの小さいイラストを楽しみに数ページ読んだら、ああ、ここからは又吉直樹の部なんだな、と、我慢して読むような感じになってしまった。

交換日記の話などはなかなか途中までは面白く読んだのだが、肝心の終わり方の部分が、何が起こったのか分かりにくくて、途中までおもしろかっただけに何が起こったのかわからないのが大変不満で腹が立った。なんだこれ?と。

ブックオフに出ていくだろう本である。

又吉直樹の小説は「火花」を最初の3ページくらい読んで、その読みにくさと、情景の書き方の乱れにゲンナリしてしまい、物語に入っていく前に読むのをやめてしまったのだった。今回はちゃんと話に入れてはいるのだけれど、それでもやっぱり読んでいて、彼の内向きのいじけた感じのする文の匂いにちょっと息苦しさを感じた。