風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

プロジェクト ヘイルメアリー

 

これも人が大絶賛したので読み始めた本。

これを絶賛していたのは「ひろゆき」だ。ひろゆきが本を絶賛するということはあまり多くない。わざわざツイッターで書いたりはあまりしない。が、そんな彼がこのSFは面白かったと言っていたので、素直で腰の軽い俺は読み始めた。上巻まで読み終わったところだ。

太陽の温度が下がり始めるという謎の現象の原因を解明するため、1人の理科の教師がロケットに乗せられて宇宙に飛び出す。地球の人類の運命は彼に託された。太陽の温度が下がったのは、熱をエネルギーにする極小の生物が繁殖しているためだとわかったのだが、それをどのように排除したらいいのか。

その生き物の影響を受けていない謎の恒星に主人公は飛んでいく。そこで彼は、他の星からやってきた、やはり自分の星系で同じ問題に困っている1人の異星人に遭遇する。

 

他の星の異星人との交流をして会話していくシーンが最高だ。

はじめは異星人の言葉は「♪♬♩」のように台詞の欄に書いてあるのだが、この表現、発明的だ。そしてやがて異星人の言葉がわかるようになると「これは何に使う。質問」のように徐々に異星人の言葉が表現されるようになる。最後に「質問」といれるのも好きだ。疑問文かどうかなんて文法を覚えなくたっていいんだ。質問、と書けばいい。そのたどたどしい感じがとてもSF的だと思う。

思えば今の仕事は外国人に英語で意思を伝えて、思った通りのことをやってもらうということをしている。意思の疎通で苦労することが毎日のようにある。こうして星の違うもの同士が少しずつ心を通わせて、そうして力をあわせていく場面には心を揺さぶられるものがある。伝わっている!ということに感動する。

 

下巻はどんな話になるのだろう。

映画化も予定されているらしい。アニメの方がいいんじゃないかなと思う。