風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

柳沢きみお「愛人」「大市民」

 

 

大学生くらいの頃に柳沢きみおのブームのようなものがあって、ものすごい数の連載を彼はこなしていたし、次から次へとドラマになったりして、一体彼はいつ寝ているのだろうかと思ったことがあった。「妻をめとらば」もこの頃に流行していた。

もう25年くらい前の漫画だからなのか、AmazonのUnlimitedで彼の作品がたくさん読み放題になっている。契約している俺は面白がって読んでいる。妻をめとらば、があったら嬉しかったのだが、それは読み放題には出ていない。それから「特命係長只野仁」もない。が、しかし、それでもすぐには読み終わらないくらいたくさんの漫画が出ている。

ジョージ秋山の昔の作品などもUnlimitedで読み放題になっている。

 

「愛人」は8巻くらいまであるが、3つの独立した話が入っている。柳沢きみおの話はちょっとリビドーが強めで肉感的。心理面の微妙な少しずつの動きや葛藤にはあまりページやコマを割かずに、ガンガンと人間関係が進んでいく勢いの良さが気持ち良くもあるし、なんで登場人物の男たちはこんなにSEXしたいのだろうか、と共感しきれないこともある。登場人物たちは性的刺激の多いところで暮らしている、ということなんだろうな。

ほぼ全員の男が人生を狂わせていく。ま「愛人」と言うタイトルだから自然にそうなるか。

 

「大市民」は月収400万円を超える超売れっ子小説家の貧乏な暮らしと(妻が四人いて、子供が11人いる、と言う設定。仕送りだけでお金が手元に残らない)、彼の周りで人生について悩み迷っている人たちについてコメディタッチで、しかし時にシリアスに描いている作品。柳沢きみおのコメディはカラッとしていて俺は結構好きなので笑いながら楽しく読んでいる。そしてこういう生き方もあるよな、と少しだけ影響されつつ。