風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

天城越え

松本清張の小説を映画にしたものを観ていく、という活動を地味に実施中。

天城越えは、遊女が犯人と思われた殺人事件の、意外な犯人と動機を美しく描いた作品。観た人の誰もが褒めちぎる田中裕子の演技、その遊女としての軽さとそれでいて清らかな美しさは、息を呑む程。これを見るための映画だと言ってもいい。

田中裕子のその美しさこそが、この犯罪の動機になる部分なので、そこに説得力がなければこの映画は失敗である。そういう点で、文句なしにやり切っていると思う。

少年時代の心の、女性に対する聖なる憧れは、誰もが多少なりあるはずで、俺も子供の頃の自分を思い出しながら楽しんだ。

 

松本清張は、本当に事件の動機に苦味があって、その辺が本当に面白い。