風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

正欲


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身近な題材の映画を見たいと思ったので「正欲」を見てみた。

朝井リョウ原作の小説の映画化。

人間に対しては興味関心が抱きにくく、その代わりに水の動きや水の感覚に対して興奮して癒やされるという感覚を持っている男女が、その自分の生きにくさを抱えながら、同じような指向の人と出会っていく中で次第に生きていくことに希望を見いだす映画。それとともに、それをまったく理解できないし理解しようとしない検事役の男の視線が「普通の人」代表として映画に登場して、そうして彼はその頑迷さ故にまた生きにくさを感じる、という映画だった。

新垣結衣は多才で「コードブルー」などで生真面目な役を演じているのは知っていたけれど、生きにくくて怒りといらだちを抑え込んでいる新垣結衣は迫力あった。

「死ね」

と夜道を軽自動車で走りながらそうつぶやく新垣結衣は他の映画ではなかなか見れない。

そして常識人として登場する稲垣吾郎もいい配役ではないかと思う。

 

自分もどの集団に属してもなんだか自分だけ他の人と違う感じがして、一緒に溶け込んで笑えないという点で大学のころまではつらかったなということを思い出した。就職してからもそういう溶け込みにくい感覚は変わらないが、大人になるとむしろ溶け込まずに生きていくための処世ができていることが自分にとっては楽だったかもしれない。

「地球に来ている留学生みたいな感じ」

という新垣結衣の演じる桐生さんの台詞。

自分にもそういう感じがあるよな、と共感できた。