北野武監督の映画は自分には合わないみたいだな、と見るたびに思うのだけれど、評判がいいのでつい見てしまってそしてまた同じ結論をなぞる、ということの繰り返し。「首」も、カントクが面白いと言っていたので、見てみようと思ったのだけれども、見終わってから思い出したのだがカントクは北野武の映画が好きなんだった。好き嫌いが明確に出るという映画は作家性があって、悪いことではないよなと思う。
NHKの大河ドラマもかくやと思うほどの名優が次々と惜しげもなく出てきて、まあ、死んでしまう。OUT RAGEでもヤクザたちがみんな死んでしまったものなあ。
構想30年だという。北野武はこういう映画が好きで、そしてお金がたっぷりあるので念願の映画を作れたのだな、よかったなと思う。
信長はちょっと頭のおかしいという設定なのだが、劇中で
「片っ端から殺して、そして最後にワシが自分で自害する。さっぱりする」
とうっとりしているシーンがあったが、北野武が映画でやっていることはいつもこんな感じだよな、と思う。
お金がたくさんあって映画を作るとしたらオレは群像ものの人間ドラマを映画にするなあ。そういう意味でこないだ見た「愛なのに」はオレの作りたいタイプの映画の構造だったなあ。