鉄道員を作った、降旗康夫監督の映画。
大阪のミナミでヤクザ稼業で名を売った男(高倉健)が、敦賀の漁師村に住むのだが、そこにまたミナミからやってきた女が居酒屋を1人で始める(田中裕子)話。彼女を追ってヤクザな男(ビートたけし)が覚醒剤を売りにその村にやってきて、波乱が起こる。
高倉健を見てみよう、そして見習おうということで見ることにしたのだ。
降旗監督の映像なので美しい。しかしなんといっても、田中裕子の美しさと色気がものすごい。そしてトゥーツシールマンスという人のハーモニカの曲が切ない。
それらを見るだけで満足。
高倉健の妻(いしだあゆみ)が相変わらず薄幸である。漁師町の女という感じが全然しないのがミスキャストだが、高倉健を取られたくない今の妻という役はぴったりだ。金曜日の妻たちへ、の演技そのままでいける。
行間が広い。高倉健は田中裕子とできてしまいそうになるが、結局そういう関係にもなりきらずに映画は片付いていく。なんでそうなのか、を書かないのが大人の味わいなのかもしれないが、理屈っぽい自分はなんでそうなんだろうと思ってしまう。