ブックオフで450円で買った。なんかタイトルを聞いたことがあると思ったら、映画化していたらしい。
「ある閉ざされた雪の山荘で」というのは古くからあるミステリーの舞台設定だが、それを「演じる」ということを強制された劇団員たち、という設定がよくできている。そうして彼らが「劇団員」であるということが、実は物語の重要なファクターになっている。ある人物の一人称と、三人称の文章が交互にはさまる独特の構成なのだが、それにも理由がある。そのほか、あちこちに伏線をばらまいている。東野圭吾、ものすごいなと思った。もう1度、頭から読み直してみたいと思ったミステリーは「イニシエーションラブ」以来だ。
面白かったのでミステリをたくさん読んでいるツマにも薦めてみた。
彼女も読み始めたが、彼女のほうがいろいろ読んでいてパターンを知っているので、俺ほどは単純にトリックを楽しめずに途中でこの小説のトリックに気づいてしまうかもしれない。