久々に観た「Matrix」が大変満足だったので、続編の Reloadedを観てみた。前に観たときにもあまりいい印象ではなかったが、やはり面白くなくて途中で観るのをやめてしまった。前に観たときにはそのつまらなさがよくわからなかったが、今回は明確にここが駄目と自分の中で明らかなのでそれについて少し書く。
Matrix Reloadedは、ヒロインの Trinityと主人公のネオの愛の物語になっている。だから2人のベッドシーンもあるし、ネオを自分とキスさせて Trinityの嫉妬を楽しむという変態女性キャラも出てくる。最後の方では、彼女への愛を選ぶのか、世界の崩壊を食い止めるのか、のようななんだかよくわからない選択さえネオはしなくてはならない。
こういう構成や展開は別に良いと思うのだが、観ているこちら側としては Trinityの身体能力と戦闘能力にどんびきしていて、同じ人間とは思えないような状況下で、あまり表情に出さないような彼女に対して、まったくといっていいくらい感情移入ができない。感情移入できないので Trinityの女性としての気持ちにもまったく共感できない。女性として観ることすら難しい。
この Trinityのキャラの描き方と、ネオの彼女への愛という話は、水と油のように全然混じり合わないのだ。だから冷めてしまう。
もう1つはネオが超人だということだ。
Matrixでは、ネオは一般人なので、その彼が超強力なスミスらとどう渡り合うのかというところに緊張があった。が、Reloadedでは、もうネオは超人なので観ていて緊張感がない。勝つに決まっているだろ、と思ってみている。だから、山のようなスミスが虫のように襲いかかってくるシーンは絵としては面白いものの、それ以上ではない。勝つに決まっていると思って眺める戦闘シーンは退屈である。中盤にもう1つ、豪華な屋敷のロビーのようなところでネオが戦うシーンもあるが、ネオの強さをただ眺めるだけで曲芸を楽しんでいる気分である。
これにも冷めてしまう。
ネオが参戦するまでの双子の敵と、モーフィアスと Trinityが共闘しているシーンはとても面白い。ネオがいないから。
Reloadedをこうしたら面白くなったのに、というのが思いつかなかった。いっそ作らない方が Matrixという映画の世界としてはよくまとまっていたのではないかなと思う。