風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

21 Lessons

 

ユヴァル・ノア・ハラリの、世界はこれからどうなるのかについて、そうして人びとはそんな予測の中でどのように生きていけばいいのかについての21の提言が書かれている本。AIが世界を席巻していく中で我々はこれまで人類が経験したことのない、大きな文化の転換期に来ている。これはただの技術的な発展ではない。働く人がいらなくなる、という世界だ。これまで産業革命とかIT革命とかが起きても、人のシフトが発生するだけで仕事がなくなる代わりに他の仕事が生まれてきた。だがAIの革命は本当に人がやるべき仕事を機械が肩代わりしていく。それについてとか、富の偏りとバイオ技術の発達が病気をおさえるだけではなく、人間を超えた人間を生んでいくかもしれないという話などがでてきた。

オレももう定年が近づきトンネルの出口が見えてきたのだが、これから成人する人たちは、このAIというものとどのように接していくのだろう。もはや将棋も囲碁も人間は機械に勝てなくなってしまった。昭和にはそんな世界は想像もできなかった。機械の方が人間よりも物事をうまく運べる世の中において、一体人間はなにを自分の生きがいにしていったらいいのだろうか。

「いらなくなってしまった人」たちは、どのように生きていくのだろうか。一切働かなくても生きていける時代が来るのだろうか。そしてそれは人類にとって幸福なのだろうか。