部署異動が叶わなかった件は、これはこれであとでこれでよかったと思えるのだろう、と整理した。学生の頃マスコミに入社しようとして受からなかったが、今となってはそれでよかったように思える。断られたのはかなりショックで1週間くらい引きずったように思うが、ようやくあきらめもついて、今のところで頑張ろうと腹をくくれるようになった。
不採用の背景に何があったのか、これからどんな風に会社の組織が変わるのか、何もかもわからないことだらけだ。もちろん気になるけれど、いくら考えても事実はわからないのだ。そんなわからないことで悶々として心をすり減らすようなことは避けようと決めた。
毎日毎日、目先のことを一生懸命にやる、音楽が変わったらそれにあわせて踊ろう。これからの毎日は、流れている音楽にあわせて踊ることに徹しよう。
やってきた仕事が先細くなってきていることも、未来を思えば不安だけれど、これもあまり頓着しないでいこう。目先の仕事をただただうまく消化していくことにしよう。仕事がなくなって困るのはオレでもあるが、俺を飼っている会社はなお困るわけなので、どこかの場所に異動させられる日が来るかもしれない。そうしたらそれに従って、また、目先の仕事を頑張ろうと思った。
老子の説く、無為、である。
風が俺を運んでくれる。運ばれていく先でやれることをやろう。あれがヤダとか、あれじゃなきゃヤダとか、そういう欲望みたいなものは心にとって毒になる。なるほどそうきたか。そう呟きながら、真面目に仕事をこなしていこう。そうやって歳をとっていこう。
今はこんな風に考えることにした。