風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

酒を飲む

飲みませんかとオレを誘い、それに誘われる仲なのはK君だけである。彼と近くの駅で飲んだ。彼はわざわざオレの住んでいる駅の近くまで出張してきてくれる。オレも図々しいことにそれに甘えている。飲む店は決まってきていて、オレはそこが気に入っているのでありがたい。彼が予約してくれた。何から何まで整えてくれる。

 

前回は、面接で落ちてしまうというショックがあったその日に「飲みましょう」と声をかけて、またその店まで足を運んでくれた彼である。その恩義で出かけていくわけではないが、その恩義を忘れることはない。せめて今日はオレではなくて彼のしたい話を聞きたいものだと決意して足を運んだ。

 

昔、フェースブックが何かに、うねる鯉のぼりの写真をオレが載せたことがあるらしい。

「散歩するには強すぎる風も 鯉のぼりにはご馳走です」

と洒落たことを書いていたらしい。

言われたら、オレが書きそうなことだとは思ったが、記憶にない。

 

持株会のために今月は給料から多めに寄進したので、今月はいつもよりも生活が苦しい、と話した。彼も同じだったらしい。そうですよね、苦しいですよね、と満足げだった。彼はいつも金がないと口癖のようにいう。独身の彼がなんでそんなに金がないと言っているのか、給料は何で消えているのか、ずっと謎である。

 

なにもかもを、ゴールと達成、という物差しをあててみてしまう悪癖に犯されているオレなので、K君はオレと飲んでちゃんと目的を満たせたのかな、と少し思ってしまうのだが、よく考えたら飲み会にそんなものはないか。店には若いカップルも半分くらい。そういう時代を生きている彼らがちょっとうらやましい。

焼酎のお湯割りとハイボールだけでオレはもう飲めない。K君はビールをガバガバ10杯くらい飲んでた。料理は美味しかった。

 

1週間分の仕事でたまった神経の疲れと、酒の酔いが混ざって、帰ってきてから9時くらいに寝てしまった。