Amazon動画で視聴。離婚した後で遊びに来た11歳の娘ソフィーとその父とのトルコでの休暇のようす、それを撮影した動画があるのだが、それをさらに見ている31歳になった大人になったソフィーが見ている、という二重構造になっている。
16歳の息子の父になった今、11歳の娘との休暇の日々の楽しさはなんとなく想像することができる。
父は手に包帯を巻いていたが、なぜ巻いていたのか、どうして夫婦は別れることになってしまったのか、何も説明されない。余白だらけの映画で、そういうことを追いかける映画ではないのだと途中からわかってくる。ソフィの賢そうでかわいらしさと、娘を心から大好きだけれども、ずっと一緒にいることができないとわかっている父とのつかの間の短い「逢瀬」をただ目撃することしかできないのだ。
そこには数日の二人の思い出が濃縮されている。楽しそうな二人を見るのは楽しくもあるが、やがて二人は別れていくと思いながら見るので、なんだか切なくもある。
余白の多さが見た後の余韻として心に残る。
どんな気持で31歳のソフィーは11歳の頃の自分の画像を見ているのだろう。
そんなことを思わずにいられない、見終わった後もなんだか後を引く映画だった。