風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

世の中と足並みがそろわない

 

 

ふかわりょうのエッセイ集。オレがこのブログで「すぎる」の濫用が気持ち悪い、とかいたりしているが、そのような世間の一部の人々に感じる違和感を、ふかわ調とでもいうしかない、礼儀正しくて穏やかなのになぜか熱を感じる文体で綴っている。そういう日常について書いてある記事と、タモリから突然連絡があった時のことのような非日常の出来事について書いている記事とが混ざっている。日常について書いている記事の方が共感しながら読めるので面白い。

文体の中にその人を感じる。エッセイとか、このブログのような書き物には、文体の中にその人がにじむ。ふかわりょうのエッセイは、彼の慎ましくて真面目なそれでいて反骨心ある気質が出ていて、そこを味わうのが面白い。書いている内容も面白いが、書きっぷりもとても面白い。

この本のタイトルは「羊に溺れる」の予定だったらしい。しかし、帯のために作ったコピーの出来が良すぎて、本のタイトルとして昇格したらしい。だから本の装丁の表紙絵とタイトルがチグハグなのだが、それもまた味になっていると思う。

Amazonの中古本として買った。