風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

好きなお客様

一ヶ月くらい遅れてプロジェクトがはじまった。始めてみれば同僚との仕事の摩擦は避けられず、彼らを原因とする「イヤだなあ」も毎日のように心をよぎる。働いている人たちはみんなそうなんじゃないだろうか。オレもそれをどう噛み砕いて飲み込むのか、が、課題になりつつあった。

しかし、考え方を切り替えてみたら、急にスッと今回は楽になることができた。

幸運なことに、今回のプロジェクトのお客さんはいい人たちばかりなのだ。攻撃してきたり、不快な感情を押し付けてきたり、皮肉を言ったり、そういうことがない。こちらを信じて任せてくれている、という感じがする。

あのお客さんたちを幸せにしたいな、と、そこに意識をあててみたら、同僚たちの気になるいろいろな不快な反応や態度がほとんどどうでも良くなった。今回はそういう幸運があったので、なんとかプロジェクトから落ちこぼれずに乗り切れそうに思う。

 

逆にお客さんのことを嫌いになった状態の仕事は、本当につらいだろうなということにも思い至る。

 

ファンが鬱陶しく思えてきたアイドル業

痴呆でこちらにつらくあたってくる人を相手にする介護

お酒を飲ませるために相手の話を聞いてあげる、夜のお仕事

イヤな生徒ばかりに思えてきた学校の先生

面倒な人の相手に辟易してきた警察官

イヤな客の相手を我慢している、小売業、飲食業

などなど。

嫌いになった人たちを相手にする仕事はつらいし、やりすぎると病気になる。裏でお客を馬鹿にしたり軽蔑したりしないと心の健康を保てなくなる。

 

こういう人たちはどうやって心の中のネガティブな気持ちを片付けているのだろうか。それらを抱えながら前向きな気持ちで仕事を頑張っている人たちがいるなら、こういう人たちは凄いよなと思う。

 

オレのことに話を戻す。

彼らに何をしてあげられるだろうか、と、そのことだけを考えたなら、同僚たちのことは背景化してしまう。無視はできないがメインではないのだ。

今週もがんばろ。