風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

風来坊

風来坊、という言葉が浮かんだと、オレへの言葉を探してくれた人が教えてくれた。そう言われてみると思い出されることがある。

子供の頃から今の今までグループ活動が苦手なのだ。うまく溶け込むことができない。溶け込んでいるように振る舞っていても、心の中で線を引いてしまい本心から一緒に泣いたり笑ったりできない。人々と一歩離れたところに行ってしまう。おい、来いよ、と言われれば行くのだが、なんだか居心地が悪いのだ。これはオレにかかった呪いのようなものかもしれん。

オレの溶け込めそうなところを探して、文学系サークル、SF研究会的サークル、バドミントンクラブなど入った。頭数には加えてもらったが、何だか自分は浮いてしまった感じがした。オレはどこにも帰属できないのか、と、そういえば悩んだことがあったかも。

国文学科には、同人誌サークルができたのだが、オレはそこに加入しないで、個人誌というのを作って単独行動していた。会社でも、グループ的なものに加わろうとすると気持ち悪くなってくる。吐き気のようなものを催す。

 

自分勝手なんだろう。

たとえ孤独になったとしても、人に気持ちを合わせて親しくしていくのが違和感なのだ。チームの一人として持ち場を守るのは苦痛ではなくて、野球のライトを守備しろと言われたら楽しく頑張れるが、試合の後で飲み会に行こうと言われても、行きたくないかもしれん。

そんな風に溶け込めないくせに、集まっているところでは端っこにちょこんと座って、なんとなく居心地よくしていたりする。互いに干渉し合わずに、ただみんながいて、そして自分もいる、という空間は好きなのだ。自分でもわけがわからない。

 

今の職場はほどほどにドライなので、30年近く勤務できたのかもしれんな。今後どうしたらもっと居心地よくいられるのか、少し考えながら、でもとりあえずは流されながら生きていこうと思う。

 

風来坊、という言葉をオレの名前を聞いたことでまず閃いた彼女には、やはりしっかりした実力があるのではないかな。