風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

朝風呂

朝の5時に起きてしまう。歳のせいでトイレが近くなっているので、トイレに行く。脳溢血とか血管の急死が怖いので、台所で冷蔵庫を開けて水を飲む。冷たくて美味しい。そして風呂に入る。体を暖かくするとまた寝付きやすくなるからだ。朝風呂に入るのはオレの小さい娯楽だし。

風呂場の電気を消すと周りは闇に沈む。風呂場の周りが何も見えなくなり、余計な思念が浮かばなくなる。肩まで湯に浸かる。寒い朝の風呂は神経にとってご馳走だ。風呂場にスマホを持ち込んで好きな音楽を流す。のんびりした曲が好きだ、こういうときには。今日はドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」を聞いてみた。職場のイヤなことも、生活の悩みも、闇の中で風呂に浸かっていると心に浮かんでこない。ただ気持ち良いだけだ。

気の済むだけ湯に浸かって身体が温まったら、浴槽から出る。体を洗ったりはしない。暗闇だから。脱衣エリアにいくと勝手に灯りがつく。あかりだ、と一瞬、光を知らなかった人のような気分で思う。少しのぼせているので頭も働かない。何も期待しない、何も怖がっていない。灯りがついたのでバスタオルで体の水分を拭き取ると、ああ、なんでバスタオルとは気持ちの良いものなんだ、と感激する。

下着をつけて寝室に行く。冷気でどんどん身体が冷えていくわけだが、のぼせた身体が冷たくなっていく感覚が好きだ。

やがて布団に入り、大愚和尚の「一問一答」を無作為に選んで流す。眠くなってくる。

 

こんな朝をここのところ一か月くらい、毎朝のように繰り返している。そして頭痛をねじ伏せるようにして次に目覚めた時には起き上がり、濃厚でねっとりとした日常に立ち向かうのだ。

体を動かし始めれば頭痛も消えるし、向こうから仕事する意欲のようなものも勝手にやってくる。やる気を出そうと頑張るくらいなら、家事のために少しでも体を動かし始める方がうまくいく気がする。