今の部署のHさんが、オレがやるべきことを一方的にあげつらって、ちゃんと済ませてもらう必要がある、などと急に言い始めていて、オレに作業させるなんの権限もないし、その話の根拠もよくわからないしで、困惑させられている。オレはもうこの部署から出ていくので、もう大したことをやる時間はない。同僚の人にやるべきこととして指定されるのは、そもそもおかしい。作業指示の権限は彼にはないので。
彼のその、当然のこと、のように言い募る態度には、真っ向から反対したら面倒なことになりそうだ。受け流して時間切れを狙うことにした。
この人のオレへの対処があんまりだったので、オレは年末に調子を崩して、他の部署の人に助けを求めたのだった。そして、今回のようなことになったのだった。
かえすがえすも部署異動がかなって本当に良かった。こんな人から離れられる。改めてうれしい。
オレ以外にも中国人技術者のカナメのSさんも、今の部署に嫌気がさして出ていくことになった。オレと同じ日に異動になるのは面白い偶然だ。彼も彼で身を守るために、変な人たちのオンパレードになっている環境から逃げるための活動をしていたのだ。こっそりと。
今の部署の上司に「自分は嫌われている」と嘆いていたという話を聞いた。そう思われていると聞いても上司の人は何もしてなかったんだよな。
今の部署の戦力のダウンは著しい。甲子園に出場してきた高校野球チームが、リトルリーグに変わってしまうくらいに。
上司に指示されてやっている、お客様クレーム対応のための新機能のテストも、テスト環境が不安定でテスト結果が変わってしまったりする。ちゃんと動くシステムで仕事がしたい!
これもオレのやる気を阻喪させる。
なんとかだましだまし新機能の公開にこぎつけたとしても、オレが去っていった後、いったい誰がこの機能の面倒を見るのだろう。上司はそれについて考えていないように見える。期間限定のサービスで良いのか? 不具合がもし出てきたら誰が引き取るのか? しかし誰もいない。うちの部署は人を減らしすぎた。上司がずっと部下を攻撃してきた歴史があり、みんな居付かないのだ。
上司本人も体調が良くなくて会社を辞めることを考え中だ、とオレにだけ明かしてくれている。
「壊滅」
の言葉が頭に浮かぶ。
残される人から見たら、出ていくオレは怒りの対象なのかもしれん。ツマにHさんのことを話したら
「それは怒ってるんだよ」
と言われて少し合点がいった。