筒井康隆の小説を映画にしたもの。吉田大八監督の映画。桐島部活やめるってよ、は劇場で見たことがある。桐島でも、映画部の神木隆之介くんが妄想を描いて、橋本愛がゾンビに殺される映像などがあったが、こちらの映画でも妄想が止まらない。妄想と夢がいりまじっていて、どこまでが本当でどこまでが夢の世界なのか映画を観ている人たちもだんだんわからなくなってくる。
瀧内公美と河合優実も共演していて、どちらもオレの好きな女優さんなので見ていて楽しい。彼女たちとの絡みもあるが、老いたフランス文学の元大学教授がそんなにもてるわけあるかな、と思いながら、あるかもなと思いながら、見ているうちに何が夢で何が現実だか見ている人がわからなくなってくる、この現実世界が溶けていく感じはまさに筒井康隆の世界。小説をうまく映画化したのではないかと思う。
「敵」とは何か?
結局は明らかにされないけれども、これはこれでよいのだろう。
「老い」なのか「死」なのか、それとも年を取ったにも関わらず去来する「欲望」のような恋愛感情なのか。主人公の渡辺義助の平和を愛する暮らしを脅かすものすべてが「敵」なのかもしれない。
小説は、しとしとと雨が降り続く様子で終わるのだが、映画にはもう少し続きがある。これはない方がよかったかな、と俺は思うのだった。