風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

映画 658km、陽子の旅


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青森から単身で上京した後で、人生をあきらめたように過ごしてきた独身の陽子が父の死を知り、青森まで従兄弟の車に乗って出発する。しかしサービスエリアで起きたある事件で、陽子は従兄弟の車とはぐれてしまう。出棺の時刻までに青森に帰るために、陽子は今までの自分からは考えられなかったような大胆な行動を始める。

 

ロードムービーにはずれなし。

出発したときと、目的地にたどり着く頃には、何かが変わっている。

変わってしまうだろう出来事を映画を観る人たちは目撃する。そうしてそれに納得しながら、その行く末を見守る。そんなとき、映画を観ている人たちは誰かの人生を見ているような気持ちになれる。

映画の最後に主人公が死んでしまうロードムービーも多いが、主人公たちの生き様を見られたような気持ちになる。

 

菊地凛子の演じる陽子は映画の最初ではただ生きているだけの希薄な存在で、誰も彼女に好感を持てない。が、父の出棺に間に合わせるために懸命に頑張る中で、彼女が変わっていくのを我々は目撃する。その変化の様子を、大ベテランの菊地凛子が納得感のある演技で表現してくれる。

カメラワークも丁寧で、登場人物の表情をバックミラー越しに見ていくような画面作りや、あまり場面転換しないことで、重たくて停滞している陽子の人生をじんわりと伝えてくれている。

オススメしたい。