縄文時代は10,000~15,000年くらい続いたと言われていて、狩猟採取の時代がいかに安定しているかがうかがえる。農耕飼育の文化が始まってからヒトは他の人と比べることを初めて、ある場所にずっと住むことを初めて、蓄財が始まった。ヒトの暮らしは安定して不安からも遠ざかることができたのだろうが、このせいでヒトは「オレは他の人と比べて」ということも始まってしまった。
ドナルドやウラジミールのせいで人類の滅亡がちらついている昨今で、まだ西暦は2000年と少し。縄文時代には遠く及ばなくて、狩猟採取の頃には戻らなくてもいいので、ただその頃のことを少し想像しながら生活に取り込んでいくのは、心を穏やかに暮らしていくためのヒントになるかもしれない。
などと考えていたら、そういうことを科学的に裏打ちしてくれそうな本を Amazonで見つけたので購入、今半分まで読んだところだ。
期待通りの内容で、頭にストンと入ってくる。
作者のドライなところが好きだ。我々はいろいろな人類の特性をうけついでいるのではなくて、ある特性を持っていた人類が生存に有利だったから生き残っていっただけで、我々はその子孫であるに過ぎない。と、言っている。
いろいろなことを不安に思うから生き残った、という言い方もあるし、それは正しいのだろうけれど、不安を抱くことに優位性のニュアンスを感じる。不安に思うやつらが生き残ってきただけ、というこの作者の言い方には優位/劣位の視点がなくて、読んでいて心地よかった。
「死から遠いと感じることを幸せと感じる」
と、人類の幸せを定義していてこの本はそれが一貫している。友達がいないことや、もてないこと(遺伝子の死)がなぜつらいのか、貧乏が何故つらいのか、についても、この定義で押さえ込もうとする。やや強引さはあるが、それだけに大変とらえやすくてわかりやすい。
