崇拝する桜井章一と、サイバーエージェントと社長の藤田氏が、運というつかみどころのないものについて自分の経験から考察を語った共著。
桜井章一は20年間麻雀無敗という驚異的な記録を残した伝説の麻雀打ち。麻雀を超えた人生哲学にとても面白いものを感じる。
常人には近づきにくい桜井章一の教えを、現実的な経営者の目線で翻訳を試みたというのが、他の桜井章一本と違うところ。
翻訳の分だけわかりやすくなっているが、その分、藤田氏の解釈が混じるのは避けられずに、濁った部分もあろう。
運が良いとは何だろう?
欲しい時に欲しいものが外部からやってくること、かな、と今は定義してみたい。
それには、日頃からの素直さと勇気が必要なのだと、桜井章一さんは言っている。状況を素直に受け入れて、勇気をもって不確かなことに取り組むことだ、と。
状況を素直に取り入れるというのがまず難しいと思う。嫌なことからは目を逸らしいし、信じたいことを信じようとするのが人間だからだ。なのでまずは、自分が信じている何かは、信じたいから信じているに過ぎない、と、認めることではないかと思う。つ、つらいこともあるのだけれど。