風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

東京幻想

 

東京幻想作品集

東京幻想作品集

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書店で見かけた「東京幻想」という画集を購入。画集の購入なんて10年ぶりくらいだと思う。廃墟と化してそしてしかし緑に包まれた東京のあちこちの街、駅の周り、そこは「廃墟」という言葉が感じさせる殺伐とした暗いものではなくて、むしろ祝福につつまれた自由な世界。人間がいないが故ののびのびとした世界。

仕事をしながらパラパラっとめくれば、仕事に追われて苦しんでいる自分を相対化してくれそうな気がした。なんだか気持ちが楽になりそうな気がしてきたので、精神安定剤として購入。絵や音楽のような芸術にはもともとそういう作用があると思うのだが、この画集は、ひときわ自分が今やっていることなんてたいしたことではない、と明るく囁きかけてくるようだ。

息子に見せたら反応はいまいちだった。

東京の街、駅にあまり思い出や思い入れがない若者にとっては、ただの美しい景色や奇をてらった画集なのかも知れない。長く東京で働き、そしてあちこちにいろいろな思い出があるので、楽しめるのかも知れない。

そして古くなってしまった、骨董や盆栽に興味を持つのは大抵は老人だ。この本は確かに老人向けなのかもな、とちょっと思う。