風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

伯父の死

宇都宮へ有給をとって出かけていく。

母方の伯父の死である。

3年くらい前に脳梗塞で倒れてそれ以降は病院で、しゃべることができなくなってイライラしていたらしい。10年以上顔を合わせることのなかった親戚が鬼籍に入っても、これまでと生活が何も変わらないので、悲しみも喪失感もなく、ああ、時間が流れていて、人はいつかは死んでいくのだなと思うばかりだ。故人の写真の後ろに豊穣に実った田んぼが合成でついていた。何故、田んぼなんだろうと思ったが、誰に聞いたらいいのかわからなかった。

ご遺体の顔は10年くらい前に他界した、彼の母親の骨格に酷似していて、それもなんだか不思議な感じがした。どのご遺体も性別が分かりにくくなる、というのが一般らしい。

宇都宮の隣の岡本という小さい駅に、昭和の頃に訪ねた時の駅舎の記憶がそのまま残っていて、全く普通のJRの駅になっていて変に驚いた。そうだよな、岡本だけ、あの黒く錆びついた駅舎のままということはないよな。思い出の中にしか、もう、あの寂れた駅舎はないのだな。

棺を車に乗せたら家からさることを抗議しているのか、すごい雨に見舞われた。大雨だった。

 

仏式ではなく、神式というお葬式で、榊の枝を使って死者を祀る。花輪に、ポン酢とか出汁とかが埋め込まれていて、祭りだから、と母親に解説されたが不思議な感じだった。

弟の運転する彼の車で宇都宮まで送ってもらったが、クーペという車種で、中は全然整理できておらずで、俺は身体が硬いし、車が小さくて窮屈なので、乗り降りするたびに何処かを痛めた。

 

湘南新宿ライングリーン車で行きも帰りも帰った。また明日から普通に仕事だ。