風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

電車に乗って

最も通勤で混雑する時間だけれども、電車はガラガラで余裕で座れるどころか、終電のようにシートで寝そべることさえできるのでは、と、思ってホームで電車を待っていた俺は世の中のことがわかっていなかった。それほどはすいてない。座ることさえ許されない。こうして普通に通勤を余儀なくされて、自分の持ち場で頑張っている人は実は結構たくさんいたらしい。

ノラジョーンズの気怠げな歌を聴きながら、ほぼ1年ぶりにいくオフィス、引っ越したとこのことで場所の変わった人間ドックの場所に想いを馳せて、少し緊張する。オフィスが引っ越すとのことで荷物を捨てたり、ディスプレイを返却したり、いろいろやらないとならないのだ。

やったことがないこと、初めてのことに対する、それを避けたい思いが、20年前の自分よりもずっと募っている。身体の衰えによるものだろう。うまく行かないことに対する不安のボリュームが、少し大きすぎると思う。確かに、あまり無理がきかなくなってきている。徹夜とか無理だし。大食いもしない。大荷物は小分けにして運びたい。海外旅行にいくのが億劫なのは昔からだが、今はゲンナリする。

多分、問題なくこなして、夕方には全部うまくできていた、となると思うが。

 

電車に乗って車窓を見ていると、世界の広さを少し思い出して、だんだん大丈夫な気がしてくる。引きこもりのような暮らしをずっとしていたから、そこからはみ出すことへの不安が大きかったのかもな。