実家に行った正月に父親と映画について会話したときに、飢餓海峡という映画が面白いと教えられたので見てみた。
白黒である。登場した人たちは全員もう亡くなっているのではないかと思う、古い映画だ。昔の日本の映画はこうした貧乏や生活苦を下敷きにした骨太なものが多く、最近のなにがなんだかわからない話や、誰が誰かを好いたり嫌ったりという話(これはこれで深刻な話だというのは認める)が多く、扱っているテーマも時代によって変わる。
飢餓の経験故に犯さずにいられなかった殺人と、そしてそれを償いたい優しい気持ちが複雑に1人の人間の中で入り組んでいるさまを、三國連太郎が見ていて悲しくなるくらい完璧な演技で演じている。
この映画のラストもちょっとびっくりであった。