風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

見えない目撃者

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軽いネタバレあります。

 

韓国で作られた映画を下敷きにしたリメイク。吉岡里帆は最近気になる女優で、いよいよ今後伸びていくと思われる。評判も良いようなのでヨメに映画館を予約してもらい、劇場へ。

物語の作りはさすがである。それから斬新なのは、目が見えない主人公の感じ方を、白い地に黒い線でアニメのように細い線を描いて、こんな風に聞こえてるというのを表現した手法。これは発明だと思う。

目の見えない主人公と、そして彼女の証言を半信半疑で捜査し始める刑事たち。それぞれの調査が、ある人物を炙り出していく。

殺人者に命を狙われて追跡されるシーンは、この映画のクライマックス。目が見えない主人公を、携帯の画像でナビゲーションする協力者との男性の連携も、観ていてとても面白い。サスペンスものとしては最高だと思う。

R15指定。Amazon動画にこないと思われたので、映画館に行くことにした。確かに誘拐された女子高生に行われた猟奇的な映像は、子供にはきついと思う。でも、この殺人者の凶悪さと変態性を出すためには必要な映像だったと思う。

 

最後の犯人との一戦。刑事たちの行動は少し軽率で、そのせいで犯人もつまらないやつのように感じられたのは惜しい。主人公も犯人を撃ち殺すチャンスは何度かあるように思えたけれど、それはしない。犯人も主人公たちを殺すチャンスがあったけどそれはしない、というのがあって、なんだ、このヌルい闘いはという感じはあった。

が、それらは全て、最後の決着シーンのためには仕方がないことでもあった。ドラマとして。やはりこの話はこうやってしめたい、という終わり方だった。

 

どうせやりたいことなんてないんだろ、と先生に言われていた青年が、最後にあるものになれるかな、と、主人公に言ってるのには涙。

吉岡里帆は綺麗なので観ていて気持ちが良いし、盲人の演技も全く不安がなかった。犯人の追跡から逃げながら、階段を下りるシーンなどは素晴らしかった。