風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

氷点

名作と評判の本なので死ぬ前に読んでおこうかと手に取ったが、確かにすごい小説だ。景色や着ているものなどの細かい描写はなく、会話とちょっとだけ心情を書いて、あとは事柄をどんどんと書き進めていくので読みやすい。物語として読みやすい。

大人の登場人物がみんな素直でないのだ。我慢したり誤魔化したりする。そして自分の怒りに対してだけは従順なので、そんな大人たちが描き出す世界は醜くて悲しい、だがしかしそれがゆえに美しい。