将棋番組で、いいな、と思った言葉に、咎める、があった。
とがめるというのは人の間違いを指摘してそれに気づかせることだけれど。
少し変わった手を指した相手に対して、その手の含んでいる危うさに気づかせるような手を指すことを、将棋では、とがめる、というらしい。
この言葉が気持ち良いのは、やや下から目線の言葉だということ。導くとか、指摘する、とか、そういう正しい者がそうでないものを啓蒙する、という目線でないところ。違うと思いますが、と、相手の理解に是々非々を委ねるのが、この咎めるという言葉のニュアンスだ。
それを将棋の用語として選んで使い始めた人は、なんて上品でセンスがいいのだろうと、うっとりする。