風紋

外資系のソフト会社 コンサル職のおっさんの日々

おやすみプンプン

浅野にいお、の漫画。

海辺の女の子、で、子供たちの行き場のない閉塞感と、性、について情け容赦なく描いた彼は、この作品でもまったく容赦がない。

プンプンは鳩サブレーみたいなかたちのキャラクターで、それでも誰も何も違和感を感じずにこの世界に溶け込んでいる。そのプンプンが小学生から高校生になるまでの成長の中で出くわす、世の中の不条理と、どうにもならなさを、救いのなさを、だがしかしそれ故に輝くなにかを、異様に細密に描かれた景色の中で、残酷なくらいに生々しく描いてくれる。変な漫画だなあと以前は読み飛ばしてきたが、今こうして読んでみると、なんという文学的な漫画なのだろうかと思う。