適応障害発症を理由に、団委員長に来年は人を解いてもらうことを打診、承諾して頂いた。団委員長は強いリーダーシップというキャラではないが、スカウト活動を愛しており、そして朗らかで柔和で真面目だ。俺はあんまり誰かのために、という理由で働くことはないのだが、彼だけは特別である。今回、副長として勤めていたのも、直々に団委員長から打診の連絡があったからだ。彼の残念そうな顔が見たくない、という理由で引き受けたのだった。
彼は人柄で仕事を進められる人物だ。
なので今回、お断りの連絡をするのはなかなかつらかった。でも、それと引き換えに来年度は自由な時間を増やすことができる。何に使おう。この自由な時間を。
