風紋

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教場 キムタクというもの


土曜プレミアム・フジテレビ開局60周年記念 新春SPドラマ『教場』前編 2020年1月4日

フジテレビ開局60周年記念のドラマ。

木村拓哉の演じる警察学校の鬼教師と、多様な警官への動機と事情を抱えた生徒たちとの触れ合いと確執を描く。生徒たちの成長と、鬼のように見えながらも細かい目配りをしている教官の愛情を、緊張感のあるテンポと演出で見せてくれる。

キムタクの演技についてはネットで見ると賛否ある。自分は特に違和感は感じなかったが、もっと演技の上手い人はいないのか、と言われればいるかもしれないけれどね、とは思う。

でも、別の視点でこの孤高の教官は、すごく木村拓哉にマッチしていたと思う。

 

鬼教官と生徒の話なので教官は孤独なのだ。彼の孤独はずっとドラマの中で表現されていて、一人ぼっちで何かをしているシーンばかりだ。生徒といないときはいつも一人なのだ。

近寄りがたい教師の設定なので当然だ。

思えば、キムタクの出ているドラマはずっと孤高ではなかったか?

キムタクの出ている連続ドラマで、彼に親友のような友達がいたものはあるのだろうか? 自分には思い出せない。

Heroという検事もののポスターでは、同じ事務所の人たちがずらりと黒い服で並んで立っていて、そしてキムタクだけがジージャンで座ってこちらにピースサインだ。

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キムタクはそれで良いのだ。俺だけはみんなとは違うよ、というのが、彼の特権でもあり、見方を変えれば呪いのようなものでもある。

他に、アイスホッケーの選手や、レーサーの役などあると思うけれど、彼はいつも孤独なヒーローなのだ。それが似合うのだ。視聴者もそれを見たいのだ、たぶん。

そういう意味で、今回の孤高の、過去に謎を抱えた鬼教官はぴったりの役柄だったと思う。彼は傑出していなくてはならず、強くなくてはならない。それを体現できていたと思う。

孤独といっても仙人のそれではない。人の問題をたった一人で解決してみせて、当たり前のようにしているのが、キムタク、というキャラクターなのだ。

なので、テレビ局側の大人の事情もキムタク起用にあったのかもしれないけれど、今回のドラマへのキムタクの配役は、すごく合理的であったと思う。

 

ドラマそのものも面白かったです。